私は脳性マヒ系の40代の身障者で、車イスを

押してもらって、いろんな活動をしています。

私は、出歩くことが好きな方で、いろんな所へ

行っていますが、アルプスなどの高い山へは

車椅子では登れないと思って、あきらめて

いました。

そこに、今回のお話を聞いて、車イスでも

行けると言うことで、さっそく行こうと決めました。

いろいろと山はありますが、今回は西穂高と

上高地にいきました。

目的地までの行き帰りの方法は、そのまま

車椅子が入って、最大で3台入れられる、

旅行会社の小型バスを利用して、出かけました。

私は、車イスから下りて、バスのシートに座り

ましたが、シートの間も広くて、窓も大きかった

ので、バスの中では車イスは不用で、景色を

楽しんで見ていました。

一つ書き忘れていましたが、乗って行った

バスは、イルカ号という名前で、車体の外に

イルカの絵が描かれていて、遠くから見ていても、

わかりやすく良いと思います。

目的地に到着して、バスの外へ出てみると、

穂高連峰の山並みが、360度の全部から

近づいて来るようで、すごく迫力がありました。

これが最初に思った事なので、その体験に

ついては、ほんとに驚きの連続で、山へ登る人の

気持ちも、少しわかりました。

6月に入ったので、山には残雪が少しあったし、

なんと言っても緑に輝く木々が、目に飛び

込むようで、やっぱりテレビで見るのとは違い、

自分の目でみたら、景色がすばらしいことが、

はっきりわかりました。

上高地についても、ほとんどバリアフリーで

行けて、いろんな草花も見られましたし、

少し勉強になりました。

それでも、ラショウモンカツラなど、私が知らない

草花が沢山あり過ぎて、とても覚えきれないので、

あきらめました。

だいたい全部バリアフリーで、車イスで行けましたが、

上高地でダメな所があったのは、しかたないですが、

ちょっと残念でした。

西穂高のロープウェイも、バリアフリーで乗れて、

二千メートル以上ある、山頂の展望台まで登った

時は、余計なことは考えなくて、爽快な気持ちに

なって、これからも山に行きたくなりました。

いままで、山へは車イスで行けないと思っていま

したが、今回で自信がついたので、もし車イスで

行けてチャンスがあったら、どこの山にでも、

行こうと思います。

今回の穂高と上高地の旅は、景色も気持ちも

最高に良く、私の満足度としては、満足以上の

120%ぐらいです。

本当に偶然ですが、イルカ号に出会えて、私の行動

半径が、さらに広がって行き、私は良かったと思って

います。

穂高連峰
Sさん上高地にて
ホテル景色
この文章は障害を持たれたSさんがご自身で
パソコンを使い作られた文章です。